午後三時までにロマンスを
今日で、私は十七歳になる。都立高校では、十七歳までに彼氏ができないと都ブスといいうあだ名がつくらしい。残念ながら、あとニ時間で私は十七歳になる。ちょうど午後三時に生まれたから。
私も都ブスか・・・・・・
そう感じながらも、一つだけ胸に引っかかるものがある。
私は今、ある女の子に恋をしている。そう、この日本だと偏見の多い百合というやつだ。今まで、男にも女にも恋をしてきたけれど、どれもこれも結局は好きと言いたいときに言えなくて、なんとなくどうでもいい時に思い出したように「好きだっていう気持ちだけ、知っておいてほしい。」などという、超独りよがり告白で自ら幕をとじていた。
私には度胸も女らしい計算高さもないのだ。
そういいながらも、刻一刻と三時は迫っている。
その女の子のことを思い出す。まだ仲良くなってから一か月程度だけど、彼女は私を完全に魅了していた。
大人びた表情をしているのに、あどけない声と仕草。少しというかかなりボケてて、いつも何か尋ねるとトンチンカンな返事をしてきて、それが面白く、何よりかわいい。私を見つめる少し横長の丸い瞳は、見ているだけで頭がおかしくなりそうなくらい愛しい。
だけど、そんな子に告白なんてできるはずない。
この愛しい関係を壊したない。
でも
私の心に、なにかが芽生えた。
人間不信で、人に敬遠されるのが怖くて、いつもマイクロレベルの不安にも心を悩ませて、自分は自由なのだと無理して言い張っていた私の心に。
十七歳という焼き印が、それらすべてを焦げ付くし、そしてなにかの種を蒔いていった。
この種は、何の種?
そうこうしてたら、三時になった。
あーーーあ。